身近な野鳥 水辺の鳥・森林の鳥・草地の鳥
タンチョウ(丹頂)
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分  類
学  名 Grus japonensis 英  名 Japanese crane Manchurian crane
分  布 北海道東部で繁殖する個体群と、中華人民共和国北東部やロシア極東部で繁殖する個体群に分かれる。アムール川流域で繁殖し、 冬季になると江蘇省沿岸部や朝鮮半島ヘ南下して越冬する。日本では北海道東部(道東)に周年生息(留鳥)し、襟裳岬以東の太平洋岸や根室海峡沿岸部、オホーツク地区、1982年以降は国後島や歯舞諸 島、2004年以降は宗谷地区でも繁殖している。日本で最も有名な生息地は釧路湿原一帯であるが極稀に石狩平野の上空を飛来することがある。
全  長 全長102 - 147cm。翼長64 - 67cm。翼開長240cm。 飛  形
くちばし 尾  羽
生息環境 湿原、湖沼、河川などに生息する。
鳴 き 声 オスが「コー」と一回鳴くと、メスが「カッカッ」と2回鳴き返します。
雌雄識別
特記事項 全身は白い。眼先から喉・頸部にかけては黒い。眼後部から頸部にかけて、白い斑紋が入る。 次列風切や三列風切は黒い。 頭頂にはほぼ羽毛がなく黒い剛毛がまばらに生え、赤い皮膚が裸出する。タン(丹)は「赤い」の意で、頭頂に裸出した皮膚に由来する。虹彩は暗褐色。 嘴は長く、色彩は黄色や黄褐色。後肢は黒い。気管は胸骨(竜骨突起)の間を曲がりくねる。北海道の個体群は繁殖地と越冬地の距離が主に150km以内だが、ごく一部が300kmを移動す ることもある。冬季には家族群もしくは家族群が合流した群れを形成する。日本の個体群と大陸産の個体群は鳴き交わしに差異がある。食性は雑食で、昆虫やその幼虫、エビ類やカニ 類などの甲殻類、カタツムリ類やタニシ類などの貝類、魚類(ドジョウ類やコイ、ヤチウグイ、ヌマガレイなど)、エゾアカガエルなどのカエル、鳥類(アオジやコヨシキリなど)の 雛、ヤチネズミ類などの哺乳類、セリやハコベなどの葉、アシやスゲ、フキなどの芽、スギナの茎、フトモモやミズナラなどの果実などを食べる。繁殖様式は卵生。繁殖期に1 - 7平方 kmの縄張りを形成する。湿原(北海道の個体群は塩性湿原で繁殖した例もあり)や浅瀬に草や木の枝などを積み上げた直径150cm、高さ30cmに達する皿状の巣を作り、日本では2月下旬 から4月下旬に1- 2個の卵を産む。日本では大規模な湿原の減少に伴い、河川改修によってできた三日月湖や河川上流域にある小規模な湿地での繁殖例が増加している。雌雄交代で抱卵 し、抱卵期間は31- 36日。雛は孵化してから約100日で飛翔できるようになる。

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