四季の樹木・木の実・木の花
ハゼノキ(櫨の木、黄櫨の木)
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学  名 Rhus succedanea
別  名 リュウキュウハゼ、ロウノキ、トウハゼなど。果実は薩摩の実とも呼ばれる。
分  類 落葉高木、ウルシ科ウルシ属
原産・分布 本州の関東地方南部以西、四国、九州・沖縄、小笠原諸島に分布。暖地の海に近い地方に多く分布し、山野に生え、植栽もされている。
特  長 日本には、果実から木蝋を採取する資源作物として、江戸時代頃に琉球王国から持ち込まれた。雌雄異株の落葉高木で、樹高は7 - 10メートル ほどになる。樹皮は灰褐色から暗赤色で、縦に裂けてやや網目状の模様になる。一年枝は無毛で太く、縦に裂ける皮目がある。 葉は奇数羽状複葉で9 - 15枚の小葉からなる。小葉は少し厚くて細長く、長さ5 - 12cmの披針形で先端が尖る。小葉のふちは鋸歯はついていない。表面は濃い緑色で光沢があるが、裏面は白っぽい。表裏ともに毛がない点で、日本に古来自生するヤマハゼと区別できる。葉軸は少し赤味をおびることがある。秋にはウルシ科特有の美しい真っ赤な色に紅葉する。 花期は5 - 6月、花は葉の付け根から伸びた円錐花序で、枝先に黄緑色の小さな花を咲かせる。雄花、雌花ともに花弁は5枚。雄花には5本の雄しべがある。雌しべは3つに分かれている。 秋に直径5 - 15mm ほどの扁平な球形の果実が熟す。果実の表面は光沢があり無毛。未熟果実は緑色であり、熟すと黄白色から淡褐色になる。中果皮は粗い繊維質で、その間に高融点の脂肪を含んだ顆粒が充満している。冬になると、カラスやキツツキなどの鳥類が高カロリーの餌として好んで摂取し、種子散布に寄与する。核は飴色で強い光沢があり、俗に「きつねの小判」、若しくは「ねずみの小判」と呼ばれる。 冬芽は互生し、頂芽は円錐状で肉厚な3 - 5枚の芽鱗に包まれており、側芽のほうは小さな球形である。落葉後の葉痕は心形や半円形で、維管束痕が多数見える。果実を蒸して圧搾して採取される高融点の脂肪、つまり木蝋は、和蝋燭、坐薬や軟膏の基剤、ポマード、石鹸、クレヨン、化粧品などの原料として利用される。
花  期 5〜6月頃
名前の由来 古代の土器や埴輪を制作した氏族である土師(はじ)が転訛し、櫨の木(はぜのき)と呼ばれるようになった。

撮影:2013/6/16 撮影:2013/6/16 撮影:2013/6/26 撮影:2013/6/26
撮影:2013/6/26 撮影:2013/6/26 撮影:2013/6/26 撮影:2013/6/26
撮影:2013/6/26 紅葉 撮影:2013/9/10 撮影:2013/9/10