特 長 |
葉は大きく、長い葉柄を含めて30cmにもなり、柔らかくて薄く、柔らかな毛を密生する。葉を触ると、 一種異様
な臭いがするのがこの名の由来である。花は8月頃咲く。花びらは萼から長く突き出してその先で開く。雄しべ、雌しべはその中からさらに突き出す。花弁は白、がくははじめ緑色で
しだいに赤くなり、甘い香りがある。 昼間はアゲハチョウ科の大型のチョウが、日が暮れるとスズメガ科の大型のガがよく訪花し、受粉に与る。果実は紺色の液果で秋に熟し、赤いがくが開
いて残るためよく目立つ。この果実は鳥に摂食されて種子分散が起きると考えられている。道ばたなどでよく見かけ、遷移においては、藪の状態の所に侵入する最初の樹木として先駆植物の典
型である。クサギの花では明確な雄性先熟が見られる。野外観察によると、クサギの花の開花は午前中から午後の初めまでが多く、開花すると花冠は2日から3日にわたり開きっぱなしとなる。
開花初日から雄蕊も雌蘂も花冠より長く抜き出して展開しているのであるが、開花初日では雄蘂は完全に展開するのに対し、雌蘂の展開は不完全であった。2日目になると雄蕊はしおれ、雌蘂
では柱頭が2つに裂開して受粉可能な状態になった。外見的には開花当初は雄蕊も雌蘂も花冠から抜き出て前に伸び、先端は共にやや上を向く。雄蕊では雄蕊の展開中に葯が開き、雄蕊が伸びき
った段階では葯の表面に花粉が完全に露出した。2日目になると雄蘂は下向きにしおれ、雌蘂は上向きになって柱頭が裂開する。3日目になると花冠と雄蕊は脱落し、雌蘂だけが残る。つまり本
種では1つの花において雄蕊と雌蘂の伸張と成熟に明瞭な差があり、まず1日目に花粉の散布が行われ、この間は雌蘂は受粉可能になっていない。2日目には雄蕊がしおれて下を向き、その段階
で雌蘂が受粉可能となる。葉には名の通り特異なにおいがあるが、茶の他に、ゆでれば食べることができ若葉は山菜として利用される。
【引用:ウイキペディア】 |