特 長 |
養蚕用のため広く栽培され、多数の園芸品種がある。高さ6〜10m、大きなものは15mにもなる。 若枝には
あらい毛がある。托葉は線状披針形で先はとがり、長さ6〜12mm、背面に軟毛が密生する。葉柄は長さ2〜4cm、初めあらい毛があるが、のちほとんど無毛となる。葉
身は卵形または広卵形、ときに3裂し、先は短くとがり、基部は切形または浅心形、長さ8〜15cm、幅4〜8cm、縁にとがった広三角形の鋸歯があり、表面は無毛で、異形細胞の
先が点状に散在し、裏面は脈上にあらい毛が散生する。若枝の下部の鱗片葉や葉のわきから1個ずつ円筒形の尾状花序を伸ばす。雌雄異株。雄花序の柄は長さ1cmほどで軟毛が
密生し、花序は長さ約2〜2.5cm、幅6mm、ほとんど無柄の雄花が多数つく。雄花の花被片は卵形で先は鈍いかややとがり、ほとんど無毛。雌花序の柄は長さ5〜10mmで軟毛が密
生し、花序は長さ5〜10mm、幅5mm、多数の無柄の雌花がある。雌花の花被片は円形で、縁にわずかに毛がある。花柱は長さ約2mm、基部近くまで裂け、ほとんど柄がない。複合
果は紫黒色に熟すが、ときに白色のものもある。花期は4〜5月。冬芽は広卵形で長さ3〜6mm。芽鱗は4〜7個あり、淡褐色で無毛。葉痕は半円形〜扁円形。多数の維管束痕が輪状
に並ぶ。マグワは花柱が短いが、ヤマグワは花柱が長く、果実になっても残る(長さ2〜3mmのひも状)。
【引用:松江の花図鑑】 |