四季の樹木・木の実・木の花
タイサンボク(泰山木)
HOME  BACK
学  名 Magnolia grandiflora
別  名 ダイサンボク、ハクレンボク
分  類 モクレン科モクレン属
分  布 北米南東部(ノースカロライナ州、サウスカロライナ州、ジョージア州、フロリダ州、アラバマ州、ミシシッピ州、アーカンソー州、ルイジアナ州、テキサス州)原産である。 世界中で植栽されており、日本では本州の東北以南、四国、九州、沖縄で見られる。タイサンボクは強いアレロパシー(他感作用)を示すことが知られており、他の植物の発芽や成長を抑制するため、タイサンボクの樹冠下では植物が少ないことがある。 アレロパシー物質として、コスツノライドとパルテノライドというセスキテルペンが同定されている
特  長 常緑性の高木であり、大きなものは高さ20mを超える。記録上最大のものは、高さ 37.2 m、幹の直径 1.97 m に達する。 枝が横に伸びて、広円錐形の樹形になる。樹皮は灰褐色、枝には赤色から白色の毛が密生する。葉は互生、葉身は長楕円形、長さ(7.5-)13-20(-26)cm、幅 (4.5-)6-10(-12.5) cm、基部はくさ び形、先端は尖り、全縁で縁は裏側に反り返り、厚い革質、表面は濃緑色で光沢があり、裏面にはふつう褐色の毛が密生する。葉柄は長さ 2?3 cm。托葉は早落性、4.5-13 × 1.5-3.5 cm、裏面に褐色の毛が密生 する]。葉芽は無毛。花芽は大きく、有毛。
花  期 花期は初夏(5?7月頃、品種によっては10月まで、枝先に直径 15?30(?45) cm の大きな盃形の花が上向きに咲く。1個の花は3日間ほ ど咲く。花被片は広倒卵形、白色、ふつう9枚、萼片と花弁の分化はなく、3枚ずつ3輪につき、内部のものはやや小さい。
雄しべは多数がらせん状につき、長さ16-29mm、花糸は紫色で短い。雌しべ は離生心皮、多数がらせん状につき、有毛。雌性先熟であり、雄しべは2日目以降に成熟、しばしば花軸から外れて花被片上に溜まる。
花は強い芳香を放ち、匂いの主成分はゲラニオールやβ-オシメン、β-ミルセン、 ドデカン酸メチルである。主に甲虫によって花粉媒介される。果実が熟するのは10?11月、多数の袋果が集まって長さ 8?12 cm の楕円形の集合果を形成する。
袋果は有毛、2個の種子を含む。種子は楕円形でレン ズ状、長さ (9-)12-14 mm、種皮は赤く、白い糸状の珠柄で垂れ下がる。
名前の由来 大きく立派な葉や花の様子を中国の名山である「泰山(たいさん)」に例えたとする説、花を大きな盞(さかずき)に見立てて「大盞」としたという説がある。

撮影:2016/6-15 撮影:2016/6/15 撮影:2019/7/4 撮影:2019/7/4