特 長 |
有毒な多年生の球根を作る植物である。地下にはタマネギのような小ぶりの鱗茎があり、卵状球形で外皮が黒く、下方にやや太くて白い
ひげ根を有する。 花期は秋の彼岸の頃(9月中旬)で、土中の花芽は温度の変化だけを感じて季節を知り、葉よりも先に地上から花茎を出して、散形花序で真っ赤な6弁の花を放射状(輪状)に数個つけて咲く。そ
の姿は独特で、高さ30- 60cmの枝も葉も節も無い花茎が地上に突出し、その先端に苞に包まれた花序が1つだけ付く。苞が破れると5 - 7個前後の花が顔を出す。花は短い柄があって横を向いて開き、全体としては全
ての花が輪生状に外向きに並ぶ。花径は5- 15 cmほどある。1つの花には、花被片(花弁)が6個つき、長さ40mm 、幅約5 mmと細長く、大きく反り返る。雄しべは6本、雌しべが1本あり、ともに花外に長く突き出る。
ヒガンバナの蕾は5月中頃には鱗茎の中で作られ、葉が無くとも地下の鱗茎に蓄えた栄養分を使って花茎を伸ばし、地上から顔を出してから1週間ほどで花を咲かすことができる[。三倍体の場合は種子ができず、花後
に花茎が無くなると(10月頃)葉が伸び出す。葉は線形で濃緑色で光沢があり、中脈と葉の裏側が白っぽい。晩秋に鱗茎1個から長さ30- 50 cm の細い葉をロゼット状に数枚出して、緑を保ったまま冬を越し、ほかの
植物が葉を茂りだす初夏(4 - 6月頃)に葉を枯らして、地上部は見えなくなる。かつて救荒作物として鱗茎のデンプンを毒抜きして食べられていた。 【引用:ウイキペディア】 |